農地の売買は難しいってホント?農地を売却する方と注意点を徹底解説!

「農地を売却するにはどうすればいい?いくらで売れる?」
「農地売買は難しいって聞いたけど本当?難しい理由は何?」

など、農地売買について疑問を持っている方は多いです。

一般的な宅地売買とは違い、それほど情報が多くないので疑問を持つことが当然と言えます。

結論から言えば、農地売買は非常に難しいものです。

農地法によって制限され農業委員会等の許可が必要になるため、一筋縄ではいきません。

しかし、何としても農地を売却したい方は少なくないはず。

そこで本記事では、農地を売却する方法や進め方、注意点などについて紹介しています

ここで紹介する農地売却の2つの方法や業者の活用方法を知ることで、農地売却の可能性を高めることが可能です。

農地売却は難しいので一括査定を利用しよう!

農地売却は難しいので一括査定を利用しよう!

農地売却は普通の宅地を売るよりも難易度が高めです。

農地は農地法により制限があるので、売却には農業委員会都道府県知事の許可を得る必要があります。

簡単に許可が出るわけではないため、農地の扱いに慣れた不動産会社に依頼をしましょう。

ノウハウのある不動産会社に依頼をすれば、農地を売却できる可能性が高くなるからです。

ここで紹介する一括査定サイトを活用して、農地売却を成功させましょう。

一括査定サイトで農地売買に強い業者を探す

一括査定サイトを活用すれば、農地売買に強い業者を見つけることができます

複数業者の査定額がわかり、直接話を聞いて比較ができるからです。

効率よく優良業者を比較できるので、最適な不動産会社をすぐに探すことができます。

無料でパソコン・スマホから利用できるので便利です。

一括査定サイトを使って、複数業者の中から農地売買に強い業者を見つけましょう。

農地を売却するのにおすすめの一括査定サービス

おすすめの一括査定サービスは「イエウール」「HOME’S」です。

イエウールは全国1,600社以上の優良業者の中から最大6社を比較できます

大手〜地域密着型まで揃うので、農地売却に強い業者が見つかる可能性が高いです。

HOME’Sは1800社以上の業者が参加していて、最短60秒の簡単入力で査定依頼ができます

こちらも地場企業が多く揃っているので、農地売買を得意とする業者を見つけることが可能です。

これらの一括査定サービスを利用して、農地売却を進めていきましょう。

農地を売却する方法

農地を売却する方法

農地を売却する方法は「農地のまま」か「転用するか」の大きく2通りです。

農地を簡単に売買できると国の食料自給率に影響が出るので、農地法によって制限がされています。

そのため、どちらの方法も売却までの道のりは簡単なものではありません。

「農地売却は難しい」ということを理解した上で、以下2つの方法を把握しておきましょう。

  1. 農地のまま売却
  2. 農地を転用して売却

どちらの方法も素人では難しいので、慣れている不動産会社への依頼がおすすめです。

方法1.農地のまま売却

農地を売却する方法として「農地のまま」売ることがあります。

農地を別の地目に転用することなく、農地として農家向けに売却をするのです。

農家売買は農地法で「買い手は農家のみ」「農業委員会の許可が必要」と、大きく2つのルールが設けられています。

そのため農地のまま売却するのであれば、以下の条件を満たした人(農家)を探すことが必要です。

  • 年間150日以上農作業に携わる
  • 50ha以上の農地を運営する
  • 農地を効率的に利用できる など

不動産会社に上記条件を満たす農家を探してもらって売却をします。

ただし農地を売却する時は、農地法3条に基づき農業委員会の許可が必要です。

許可を得ることができれば農地のまま売却ができます。

方法2.農地を転用して売却

農地を転用して売却をすれば、農家以外にも売ることができます。

転用をすれば農地ではなくなるからです。

ただし、すべての農地が転用できるわけではありません。

農地以外に転用して売るには、農地法第5条によって農業委員会から許可を得る必要があるからです。

また、転用するには「立地基準」と「一般基準」の2つの基準条件をクリアしなくてはなりません。

これらをクリアすることで宅地などへの転用が認められ、農家以外の方は売却ができます。

転用する条件

上記のとおり、農地を転用するには「立地基準」と「一般基準」の2つの基準条件をクリアする必要があります。

立地基準とは、以下のように5つに分けられた農地の区分によるものです。

  • 農用地区域内農地
  • 甲種農地
  • 第1種農地
  • 第2種農地
  • 第3種農地

転用できる可能性があるのは「第2種農地(周辺の他の土地に代えられなければ許可)」と「第3種農地(原則許可)」だけで、他の区分では原則転用はできません。

そのため、所有する農地が第2種農地または第3種農地であれば、転用できる可能性があります。

次に、一般基準は転用した後に土地を有効活用できるか判断するものです。

一般基準の概要には、次のようなものがあります。

  • 転用行為の妨げとなる権利を有する者の同意がある
  • 事業のために必要な協議を行政と行っている
  • 事業の目的に適正な広さの農地である
  • 土砂の流出、崩落等災害を発生させるおそれのない など

このように、転用後の事業計画がしっかりとしていないと転用の許可は下りません。

そのため、「売りたいから転用したい」という理由では、基本的にクリアできないのが現状です。

転用するには、立地基準と一般基準をクリアする必要がありますが、ハードルは高いことを覚えておきましょう。

農地売却の2つの流れ

農地売却の2つの流れ

「農地のまま」でも「農地を転用して」売却する場合も、一般的な不動産売却の流れとは進め方が異なります。

どちらの売却方法でも、農地法の決まりで農業委員会の許可が必要だからです。

ここでは、それぞれの売却の流れについて確認していきましょう。

「農地のまま」売却

農地のまま売却をする際は「買い手は農家のみ」「農業委員会の許可がいる」という2つのポイントを押さえておく必要があります。

そのため、次の3つの流れで売却を進めることが可能です。

  1. 買主を探す
  2. 農業委員会への申請・許可
  3. 農地売買の契約

次に1つずつ説明していきます。

流れ1.買主を探す

まずは買主を探します

先に紹介したとおり、農地のまま売却する場合は買い手は農家のみです。

年間150日以上農作業に携わる」「50ha以上の農地を運営する」などの条件を満たす農家を探します。

素人が買い手を見つけることは困難ですので、ノウハウのある不動産会社に依頼をしましょう。

流れ2.農業委員会への申請・許可

農地の買主が見つかれば、農業委員会に申請を出します

農地売却には農業委員会の許可が必要だからです。

農家とは農業委員会の許可を条件として話を進めておきます。

農業委員会への申請準備も不動産会社がついていれば安心です。

流れ3.農地売買の契約

農業委員会の許可が下りたら、農家と農地売買の契約を結びます

売買契約が済んだ後は、農地の所有権移転登記を行い引き渡しです。

これにより、農地のまま売却することが完了します。

「農地を転用して」売却

基本的には農地のまま売却する流れと同じです。

農地を転用して売却する場合は、立地基準や一般基準をクリアした上で農業委員会の許可をとる必要があります。

転用して売却する流れは、次の3つです。

  1. 買主を探す
  2. 農業委員会への申請・許可
  3. 農地売買の契約

次に1つずつ説明していきます。

流れ1.買主を探す

まずは買主を探しましょう。

農地を転用すれば、買主は農家だけに限定されません。

そのため、幅広い人を対象に売ることができます

買主を探す際は、農地売却に慣れた不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。

自分1人で買主を見つけることは難しく、売却チャンスを逃してしまいます。

不動産会社に依頼をして買主探しを始めましょう。

流れ2.農業委員会への申請・許可

次に、農業委員会への申請を行います。

農地法に基づき、農地を転用する場合は農業委員会の許可が必要だからです。

立地基準や一般基準をクリアしていることを確認した上で、申請をしましょう。

転用の許可が下りることを条件として、買主とは話を進めます。

流れ3.農地売買の契約

そして、無事に転用の許可が出た場合は買主と売買契約を結びます

不動産会社が仲介をしていれば、売買契約書などもすべて準備してくれるので安心です。

売買契約の後は、所有権移転登記をして引き渡しを行い完了になります。

農地の売買相場の調べ方

農地の売買相場の調べ方

農地の売買相場の調べ方は「データを見る」と「業者に出してもらう」の2通りあります。

どちらの方法でも相場を知ることができますが、できれば両方を試すのがおすすめです。

そうすることで精度の高い相場を知ることができ、売買の判断がしやすくなります。

ここでは、「データを見る」と「業者に出してもらう」の2つの方法について確認していきましょう。

1.一般社団法人 全国農業会議所の調査データ

農地の売買相場を調べる方法の1つが、農業会議所が公表している調査データを用いるものです。

農業会議所では、全国の農地価格の動向を把握するために毎年全国11,000地区を対象として売買価格の調査をしています。

以下は、2019年のエリアごとの田・畑の平均価格です。

純農業地域
(単位:千円/10a)
全国 1,165 861
北海道 242 115
東北 554 334
関東 1,501 1,617
東海 2,265 2,055
北信 1,339 918
近畿 1,949 1,393
中国 732 434
九州 854 590
沖縄 885 1,246

次は都市的農業地域の価格を見ていきましょう。

都市的農業地域
(単位:千円/10a)
全国 3,087 2,951
北海道 441 465
東北 1,463 1,240
関東 1,758 2,221
東海 6,549 6,376
北信 2,347 2,059
近畿 3,385 3,176
中国 4,007 2,724
九州 1,730 1,511
沖縄 4,976

引用:全国農業会議所「田畑売買価格等に関する調査結果(2019年)」 

純農業地域とは主に農村部で、都市的農業地域は都市部と周辺地域のことです。

農地の相場は長らく下落が続いています。

このように、農業会議所が公表している調査データから農地の相場を知ることが可能です。

2.不動産会社に査定依頼

不動産会社に査定依頼をして、農地の売買相場を知る方法もあります。

この方法であれば、地域の特性や需給バランスを加味した相場価格を知ることが可能です。

先に紹介した「イエウール」や「HOME’S」などの一括査定サイトを利用すれば、すぐに査定依頼を出すことができます。

不動産会社選びにもつながるので、査定依頼を出すことはおすすめです。

農地売買に長けた業者が、数日で査定依頼を算出してくれます。

農地売却の4つの税金・費用

農地売却の4つの税金・費用

農地売却時は、一般の不動産売買とは異なる特別控除や仲介手数料が発生します。

これらの違いを知っていないと、明確な資金シミュレーションを立てることができません。

ここでは、以下4つの税金・費用について確認していきましょう。

  1. 譲渡所得税
  2. 仲介手数料
  3. 登録免許税
  4. 印紙税

次に1つずつ説明していきます。

1.譲渡所得税

農地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は譲渡所得税がかかります

譲渡所得は「譲渡収入金額−(取得費+譲渡費用)」で算出が可能です。

「譲渡収入金額」は売却代金、「取得費」は購入費用、「譲渡費用」は仲介手数料などの経費になります。

そして譲渡所得税は「譲渡所得×税率」で計算ができ、税率は以下のとおりです。

  所得税 住民税 合計
所有期間5年以下
(短期譲渡所得)
30.63% 9% 39.63%
所有期間5年超
(長期譲渡所得)
15.315% 5% 20.315%

※「所得税」は復興特別所得税を含む

このように農地の所有期間によって、税率が2倍程度違いがあります。

特別控除

農地を売却する際は、以下3つの特別控除が用意されています。

控除 項目
800万円の特別控除
  • 対象の農地を農用地利用集積計画または農業委員会のあっせ ん等で譲渡した場合
  • 対象の農地を農地中間管理機構または農地利用集積円滑化団体に譲渡した場合
1,500万円の特別控除

対象の農地等を農業経営基盤強化促進法の買入協議により農地中間管理機構に譲渡した場合

5,000万円の特別控除

農地が土地収用法等で買い取られる場合

対象の特別控除がある場合は、その部分が非課税になります。

2.仲介手数料

不動産会社に仲介をしてもらった場合は仲介手数料がかかります

宅地や建物を売買する場合は、宅地建物取引業法の規制により「売買金額×3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限です。

もし売買金額が2,000万円であれば、仲介手数料は約72万円になります。

しかし、農地の場合は宅建業法の規制を受けないので、仲介手数料を規定する法律がありません。

そのため、仲介手数料は業者によって大きく変わる可能性があります。

業者選びをする際に、仲介手数料がいくらになるか必ず確認をしてください。

3.登録免許税

農地を売却する際は登録免許税がかかります

登録免許税とは、土地の名義変更に伴う税金です。

登録免許税は「固定資産税評価額×1.5%」で算出できます。

2021年3月31日までは税率が1.5%の軽減措置があり、それ以降の税率は2%です。

仲介手数料に比べると大きな金額ではありませんが、登録免許税がかかることを覚えておきましょう。

4.印紙税

農地売買をする際は印紙税が発生します。

印紙税とは売買契約書に貼る印紙代です。

税額は、以下のように売買金額によって異なります。

契約金額 印紙代
10万円超50万円以下 400円
50万円超100万円以下 1,000円
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円

土地売買に消費税はかからない

不動産売買において、建物には税金がかかりますが土地は非課税になります

消費税は「消費」に対して課税される税金で、土地は資本の移転とみなされるため土地売買に消費税はかかりません。

農地売買の際は、消費税は非課税でシミュレーションをするようにしてください。

知らないと損する!農地売買の4つの注意点

農地売買の4つの注意点

農地売買は非常に複雑で進め方を間違えると損することもあります。

法律の制限によって簡単には売却できないようになっているからです。

また、宅地等へ転用をすればその後の税負担が重くなってしまいます。

売買をスムーズに進めて少しでも損をしないために、以下4つの注意点を押さえておきましょう。

  1. 農地売買できるのは農家のみ
  2. 荒れている農地は売却できない
  3. 「農地売却に強い」不動産会社を選ぶ
  4. 農地転用は税金が高くなる

注意点1.農地売買できるのは農家のみ

「農地のまま」売却する際は、買い手が農家のみに限定されます。

農地を有効活用するために、売買について農地法で制限されているからです。

ただし、農地を宅地等に転用すれば誰にでも売ることはできます。

農地のまま売却の場合は、農家にして売ることができないことを覚えておきましょう。

注意点2.荒れている農地は売却できない

遊休農地や耕作放棄地と言われる荒れ放題の農地では売却することはできません。

荒れ放題の農地だとすぐに利用ができない上に、正常な状態に戻すのに費用もかかるからです。

わざわざ不利な状況の農地を買う人はいません。

農地が荒れている場合は、まずは自費で元の状態に戻して売却をする必要があります。

荒れている農地は売却できないので注意してください。

注意点3.「農地売却に強い」不動産会社を選ぶ

農地を売買する際は、農地売却に強い不動産会社を選ぶようにしてください。

法律の制限があり農業委員会の許可も必要なため、売却が難しいからです。

農地売却に強い業者を選べば、売買が成功する可能性が高くなります。

イエウール」や「HOME’S」などの一括査定サイトを利用して、不動産会社選びを行いましょう。

注意点4.農地転用は税金が高くなる

農地転用で地目を変えてしまうと、農地のまま売るよりも税金が高くなります

農地は固定資産税の優遇を受けることができるからです。

一般農地だとすれば3分の1の減額などの優遇があります。

転用すれば更地と同じ扱いになり、農地と比べて数十倍〜数百倍の税額です。

農地転用をする場合は、転用後の資金シミュレーションを立てましょう。

事前に不動産会社等に相談をすることをおすすめします。

まとめ

ここで紹介したように農地売買は簡単ではありません。

買い手の限定」や「農業委員会の許可」など、一般的な不動産売買と比べるとハードルが高い上に複雑です。

そのため、農地売買に強い不動産会社の手を借りましょう。

プロはノウハウを持っているので、売買の成功確率を高めることができます。

一括査定サイトを利用すれば簡単に複数業者を比較でき、農地売買に強い業者を見つけることが可能です。

農地売買を進めたい方は、早速、プロに相談してみましょう!